はじめまして!
株式会社KURABITO STAY代表、長野県小諸市出身の田澤麻里香です。
地域の伝統産業や地域そのものを元気にするプロジェクトを故郷である佐久地域で実現したいのです。この夢を実現できれば、長野の冬を今よりもっと面白くできます。
300年以上続く現役の酒蔵の敷地内に、蔵人のように滞在しながら、麹づくりや日本酒の仕込み体験ができる場所です。
蔵人体験に加えて、地域を広域的に周遊してもらえるような様々な体験プログラムを地元のみなさんと一緒に開発し、運営します。
そして、日本人のお客様だけでなく、海外の方にもこの感動体験を味わってほしいという思いから、英語での受け入れ環境、海外の方にも安心して滞在していただける空間を整備します。
2泊3日の蔵人としての滞在によって、地域への理解や愛着を深めてもらい、日本酒の縁で友ができ、そしてまた来年も蔵人としてかえってきてくださることを願って企画しています。
夢を実現するためには、皆さんの応援が必要です。ぜひ、このクラウドファンディングを通して力をお貸しください。
私は、20代のころ旅行会社に勤務していました。世界の50カ国近い国々の、たくさんの観光地をこの目で見てきました。
その経験を生かして、2016年から故郷の「観光地域づくり」に携わっています。
「観光地域づくり」とは、90年代後半に生まれた新しい「観光」の考え方です。
新たに、観光地を作るのではなく、物見遊山の観光地巡りでもなく、「地域の光を観せる(観る)」と書く「観光」です。
地域の伝統や文化、暮らしぶりそのものを、来訪者にじっくり体験してもらい、地域に愛着を持ってもらうことを目的とした「観光」です。
観光で地域が豊かになるのか?少し考えてみたいと思います。
少子高齢化が進行している日本は、現在、深刻な人口縮小社会となり、そう遠くない未来には消滅してしまう(財政破綻)都市も出てくると言われるようになりました。
定住人口を増やそうとしても、そもそも日本全体の人口そのものが減っているので、それだけで急激に縮小していく社会を補うことはできません。そのような状況に対応するために、「交流人口を増やすことで人口縮小社会を補完しよう」とする国の観光政策が進められてきました。
来訪者が増えると、その来訪者に合わせて新しいお店ができたり、地域との交流が生まれ住民にとっても楽しい街にアップデートされ続けます。
住民が起業して来訪者向けの新しいサービスを提供するビジネスを始めるチャンスも生まれます。
町が元気になってくると、地方で新しいビジネスを起こそうと思っている人や、地方で働きたい人が移住するきっかけにも結びついていくこともあるでしょう。
さらに来訪者の滞在時間が長くなるほど、飲食店や宿泊施設への経済効果が期待されます。
例えば、宿泊施設が儲かると、そこで提供される食事の材料を調達している地元の農家さん、土産物品を作っているメーカー、リネンを洗濯するクリーニング屋さんもつられて儲かるようになったり、地域に新しく雇用を生み出すこともできます。
観光産業が振興すると実に幅広い他産業への経済的な波及効果が見込まれ、地域全体を潤すことができます。
そして何より、地域住民が地域への自信と誇りを取り戻し、「住み続けられるまちづくり」を、住民自らの力で実現しようというエネルギーが生まれます。
定住人口を増やすためには、そこで暮らす人々が幸せであることが重要です。つまり、「理想のライフスタイル」がそこにあるかどうか?、どう発信できるか?が鍵となるでしょう。
私のプロジェクトの目的は、観光の力を活用して、酒どころ佐久の伝統産業である酒造り(酒蔵)と、それを支えてきた酒蔵や日本酒が身近にある佐久地域の暮らしぶりを世界に発信し、
住民も事業者も皆で関わって、一緒に作る持続可能な楽しいまちづくりを実現することです。
その手段の一つとして、KURABITO STAYを成功させたいと思っています。
令和元年5月7日、佐久市臼田で300年以上日本酒を作り続けてきた橘蔵酒造様と一緒に株式会社KURABITO STAYという二人三脚のベンチャー企業を立ち上げました。
KURABITO STAYは、二言で表現すれば、蔵人体験を提供する「酒蔵ホテル」であり、まちづくり会社です。
現役の酒蔵に寝泊まりしながら多言語で日本酒の仕込み体験ができる施設を日本で初めて生み出そうと準備を進めています。
かつて実際に、蔵人の方々が冬の仕込み期間中に寝泊まりしていた古民家(宿舎)をリフォームして、活用します。
酒蔵に直結している「KURA in KURA out」のとてもおもしろい建物ですが、現在は宿泊施設としては使われていないものです。
日本酒の仕込み体験を、単なるアトラクションとして提供するのではなく、職人の張り詰めた空気の中にお客様を迎え入れ、日本酒作りの真剣さ、気高さ、厳しさ、言語を超えた美しさ、神秘性を蔵人として体験していただきます。
そして、世界無形文化遺産にも登録された和食の真髄や、目には見えない微生物の力を借りて酒を作るという先人の叡智と技の結集を体感していただくものです。
まさに、日本でしか味わうことのできない特別な体験です。
特に、好調に伸びているインバウンド(外国人観光客)市場に対して、「酒蔵が13蔵ある町」をもうワンステップ尖らせた「日本酒の仕込み体験ができる町、SAKEの世界を思う存分体感できる町」として、
町をアップデートしながら発信し、KURABITO STAYを通して佐久地域に興味・関心を持ってもらい、そして実際に訪れてもらうきっかけとしたいのです。
さらに私たちは、このKURABITO STAYを核にして地域をネットワーク化し、関わる人皆で面白いと思える「まちづくり」にも挑戦します。
朝食で使う野菜や味噌などの食材も、KURABITO STAYで一緒に働いてくれる仲間(雇用)も、地域内調達率100%を目指し、
KURABITO STAYが多くの方に支持されることが、地域が元気になることに直結できる仕組みづくりに挑戦します。
KURABITO STAYにはもう一つ大きなミッションがあります。
佐久地域は夏は高原リゾートして賑わいますが、冬季は閑散期となってしまうため、この季節波動によるスタッフの雇用維持に頭を悩ませている観光事業者が多いという状況がありますが、
KURABITO STAYが、「蔵人体験」という新たなコンテンツを生み出すことで、長野県の冬の暮らしぶりそのものが魅力となり、季節波動に影響されずに観光産業の労働生産性を高められる可能性があると発信したいのです。
規模は小さいですが、スキー、温泉だけではない冬のNAGANOの魅力を世界に向けて発信するという挑戦をすることに大きな意義があると信じています。
KURABITO STAYを通して描いている夢は、他にもあります。
その一つは、滞在するお客様に使っていただく石鹸も単にメーカーから購入するのではなく、蔵人体験でお客様に仕込んでいただいた米麹を使って特別な「糀石鹸」を作りたいです。そしてその製造を地元の社会福祉施設で働いていらっしゃる方々にお願いするというような社会との繋がりを創出するということにも挑戦したいですし、
長野県で新しく開発された酒米を、蔵人体験でお越しくださったお客様と一緒に試行錯誤して、試験的に毎年仕込に続け、時には農業体験も組み入れながらその味の変遷を一緒に見守り、ラベルをデザインし、日本酒を作り上げるというような取り組みも実現させたいです。酒どころ佐久の魅力を、豊かな田園風景が広がる美しい「米どころ」としても発信したいと考えています。
KURABITO STAYの事業構想は、ソーシャルビジネスの祭典・夢アワードin小諸(2018年9月)、そして日本全国夢アワード9(2019年2月)にてグランプリを受賞し、
改めて、「あるものを活用して、地域を元気にする」夢に共感してくださる方の多さを実感し、背中を押してもらえる素晴らしい経験となりました。
リフォームしようとしている古民家は昭和10年代に建てられた2階建で、述べ面積が約158平米の広さを有しており、安全に、清潔に、快適にお客様に蔵人体験を楽しんでいただくための環境整備にかかるリフォームに約2000万円という高額の資金が必要な状況です。
特に、痛みが激しい瓦、屋根全体を吹き替えるだけで350万円ほどの見積もりが出ています。
クラウドファンディングで応援していただけた資金は、宿泊施設の瓦の葺き替え工事に使用させていただきます。
100年後も誇りある故郷を守り継ぐために・・・KURABITO STAYの事業はまだまだ始まったばかりですが、地域のたくさんの方と連携して、協働しながら、
楽しいまちづくりを実現してまいりますので、皆様からのご支援をどうぞ、よろしくお願い申し上げます。
プロジェクトオーナー
(株)KURABITO STAY