調達資金の活用先
①半纏の原材料費/発送料この度、「co:do(こどう)」の第一弾アイテムとして、古くより日本国内において防寒着として着用されてきた「半纏」を現代的に解釈し、「Japanese short coat」としてリリースいたします。
中綿は用いず、"尾州"の再生羊毛"毛七"で作られたダブルフェイスのメルトン素材を採用することで保温性の確保を実現。
身体の動きに合わせて曲線のパターンを取り入れることで、室内着に留まらず、屋外でも着用することができるファッショナブルなアウターに仕上がりました。
(女性:ニシザワ158cm着用)
"共有する服"をキーワードにデザインとサイジングを吟味することで、老若男女問わずお召しいただけます。
ファッション性のみならず環境への配慮はもちろん、長野県の伝統的工芸品である"松代焼"を陶器ボタンに、そして"内山紙"の和紙を梱包資材に使用し、素材や資材など細部までこだわりぬいた一着です。
不要になってしまった衣料品、縫製工場の裁断時に生じるハギレや余り布、糸を撚ったり生地を織ったりするときに出てしまう繊維くずなどを原料に、専用の反毛機械を用いてワタ状にし、再び新たな繊維として蘇らせます。
(「毛七」の生地の原料となる、不要になってしまった衣料品たち)
(色ごとに分けられた衣料品は、反毛機械によりワタ状に細かくされていきます)
"毛七"の名の由来はウール70%使用の比率から来ています。(つなぎとしてポリエステル15%、アクリル10%、ナイロン5%使用)
繊維が短くなってしまう再生羊毛において、強度と風合いの両立を果たすための最適解がこの数値なのです。
尾州ウールといえば高い品質と豊かな風合いが世界中から評価されていますが、その原動力となっているのは人機一体となってその生産を司る職人と旧式の織機であることは疑う余地もありません。
シャトル織機やレピア織機で織られた生地は、生産性を重視した最新の高速織機に対して、ふっくらと優しくヴィンテージ生地のように着込む毎にその風合いを増していきます。
(旧式の織機で丁寧に生地が織り上げられていきます)
今回「半纏(Japanese short coat)」に使用するのは、"ダブルフェイスのメルトン生地"。
二枚のメルトン生地を接合糸により数ミリ間隔で密に二重織にすることで、しっかりとした厚みとコシを生み出し、防寒性と遮風性を飛躍的に向上させた、目付800g/mのボリューム満点の生地です。
旧式織機によって手間暇かけて織り上げられた高密度の生地を、両面起毛により多くの空気を閉じ込めることで、しっかりとした厚みと弾力性に富んだ柔らかさという着心地のみならず、冬の日常の中で格別の保温性を担保します。
(両面起毛により多くの空気を閉じ込めることができる、弾力のあるダブルフェイスメルトン生地)
安価な大量生産品であった他窯に圧倒される形で昭和初期に地域全体が廃業していたものの、1972年に当時の製法の調査研究の末復興し、2014年に晴れて長野県指定の伝統的工芸品として認定を受けました。
陶土には鉄分の多い地元の粘土等を使用し、灰、白土、銅など自然由来の成分のみを調合した釉薬を二重掛けすることで、素朴な造形・風合いと独特な"青流し"と呼ばれる青緑色の光沢を出しています。
(松代陶苑に製作いただいた、完全別注の松代焼の陶器ボタン)
"松代陶苑"は、復興当初より松代焼の製作販売を行ってきた老舗窯元です。
私たちの地域活性化の取り組みとして地元の名産をアピールしたいという想いに共感いただき、「半纏(Japanese short coat)」に用いる陶器ボタンの製作を完全別注にて依頼いたしました。
全てが天然素材の原料を職人による手仕事で製作されているため、その出来上がりは形と色合いなど一点一点表情が異なります。
松代焼の味と魅力が詰まった、唯一無二の陶器ボタンが完成しました。
(一点一点が松代陶苑の職人による手仕事によって製作されています)
江戸時代初期の1661年、美濃で製法を身に付けた職人が信州で紙を漉いたことから始まったとされる"内山紙"。
私たちの半纏は、経済産業大臣指定の伝統的工芸品である内山紙の和紙に包んでお届けします。
原料は全て楮を用いており、丈夫で長持ちする特性を持ちながら通気性、通光性、保湿力に優れ、雪の上に晒す"雪晒し"という工程を経ることで得られる自然な白さは多くの人々を魅了しています。
(梱包資材に使用する内山紙の和紙、嫌味のない自然な白さが特徴です)
親子2代の伝統工芸士を擁する"阿部製紙"の協力のもと、梱包資材に内山紙を採用することができました。
「決して安いものではないが、使ってもらわなければ意味がない」という貴重なお言葉に、再利用できる梱包資材というアイデアが浮かびました。
無事お客様のもとに届き、その役目を終えた後にもランプシェードやランチョンマットとして長くお楽しみいただけます。
またブランドの顔とも言えるブランドタグも同工房にて依頼し、こちらもまた栞として再利用いただけるデザインに仕上げています。
(内山紙の原料となる楮、丈夫でしなやかな繊維が見て取れます)
"旭化成株式会社"がドイツ・ベンベルグ社よりその技術を導入以来、約一世紀を経た今現在、世界唯一の生産企業として上質を求める顧客へ向けて国内外を問わず供給され続けているキュプラ生地【ベンベルグ】です。
その原料は綿花を採取した後の種子の表面に残る産毛のような短い繊維です。
本来であれば糸にすることができずゴミとして扱われてしまうその素材を、高い割合で含有するセルロースに着目し、化学の力により再生繊維として活用しています。
天然由来故の生分解性により、焼却や廃棄による有害物質の発生を抑えることができるアースコンシャスな素材として注目を集めています。
「半纏(Japanese short coat)」の裏地として用いることで、半袖のTシャツの上からでもストレスフリーで羽織ることができるので、長いシーズンの間ご着用いただくことができます。
(絹のような滑らかな質感が特徴の"ベンベルグ"、人にも地球にも優しい素材です)
プロジェクトオーナー
co:do